「戦後五十年の生き証人」が語る13
【田原】当時、いくつかの雑誌が、もうやめたはずの、学会本部での出陣式をまだやっていると報じていましたね。
【池田】いや、ないでしょう。
【田原】間違いですか。
【池田】間違いです。学会の何かの会合に、議員が挨拶に来たということのようですね。支持団体に挨拶に来ることは、自然ではないでしょうか。
【田原】 そういう報道がなされるのは、「公明党は池田大作というカリスマ的独裁者に操られていうに違いない」と思っている人が多いということだと思うんです。ご自身はどう思われていますか。
【池田】意味がよくわかりません。
【田原】では、なぜそんな悪口をいわれるんでしょうね。
【池田】わからない。
【田原】池田さんが偉すぎるからですか。
【池田】よくわからない。書くと売れるんでしょうか。
【田原】もうひとつ、宗教法人は非課税です。しかし、日蓮正宗から破門された創価学会は、もう宗教法人ではないから、課税しないのはおかしい、という意見があります。
【池田】その議論は間違いです。課税するのであれば、全部の宗教団体も同じように課税すべきです。
【田原】しかし、創価学会は日蓮正宗から破門されているから……
【池田】でも、学会はもともと独立した宗教法人です。
【田原】しかし、日蓮正宗の信仰に従う前提での宗教法人であって、そこから破門されたら宗教法人ではないですか。
【池田】とんでもない。宗祖である日蓮大聖人を信仰しています。ゆえに宗祖直結の教団です。これが日蓮仏法の根本です。
【田原】日蓮正宗は関係ないと。
【池田】関係ない。日蓮正宗といっても一枝葉の宗派にすぎない。まったく筋違いの論議です。
【田原】なぜそんなに創価学会は妬まれ、反発を食うんでしょう。
【池田】日蓮大聖人もそうでした。釈尊も、法華経を広めれば「悪口罵詈(あっくめり)」されると説かれている。日蓮仏法にも「賢人・聖人も世間の留難はのがれず」とある。経文どおりに行じている証拠です。世界を見ても、ユダヤ教でも、キリスト教でも、イスラム教でも、想像を絶する迫害を受けてきています。
かつて、ある著名人が、「騒がれている間が花ですよ。善きにつけ、悪しきにつけ、騒がれるということは、大きく羽ばたいている姿です。だから風圧は当然大きい」と言っていました。
【田原】800万世帯という巨大宗教団体だから、反発を食うわけですね。
【池田】そうでしょう。いまは軸のない歯車のような時代です。「あれになろう。これになろうと焦心(あせ)るより、富士のように、黙って、自分を動かないものに作りあげろ」という吉川英治の言葉がある。どう思われようが、どう見られようが、泰然と生きることです。時が一切を解決し、歴史が証明してゆくものです。
迫害は偉大な名誉であると仏法は説いている。叩かれないで、偉大な歴史を残した勇者は1人もいないでしょう。投獄、罵倒、弾圧、攻撃、それを生き抜いて、初めてその人は歴史的人物となり勝利者となってゆく。