「戦後五十年の生き証人」が語る15
【田原】今後の創価学会の目標はなんですか。
【田原】外国の創価学会の会員と日本の会員との違いはありますか。
【池田】言語や民族が違っても、心というものは通じ合うものです。兄弟のようなもので、違わないですね。
【田原】仏教圏だから、アジアのほうが広めやすい、ということはありますか。
【池田】アジアはかえって難しいですね。小乗仏教の国もありますし、それに日本のアジア蔑視もあって、日本に対する眼も厳しい。だから、とくにアジアに対しては、信義を重んじ、絶対約束を破らないようにしています。こういう原理原則を踏まえていかないと反発を受けます。
【田原】池田さんは世界の学者・政治家によくお会いになっていますね。
【池田】著名な方とは、かなり会っています。周恩来、〓小平、江沢民、リー・クアンユー、スハルト、マハティール、ラジブ・カンジー、また国連のガリ、デクエヤル、さらにミッテラン、サッチャー、ヴァイルゼッカー、ハヴェル、ムバラク、コスイギン、キッシンジャー、ガルブレイス、ペッチェイなど、数多くの方々と平和のために対話してきました。
【田原】とくに印象に残った人は。
【池田】周恩来ですね。亡くなる1年前にわざわざ病院に呼んでいただき、「世紀末最期の25年間、中国にとっても世界にとっても一番重要な転換期になると思う」と語られました。名優のごとく、言葉がわかりやすく、しかも深い。鋭さと温かさがある。ご夫妻の遺品もいただいています。
私は一度接した人たちには、信義だけは完璧に重んじていきます。ゴルバチョフとの対談は1年間、雑誌『潮』に連載します。その次は、南米チリの民主化の指導者エイルウィン前大統領を予定しています。対談集は、その国のためにも残りますからね。世界人権宣言を推進した、ブラジルの人権の父アタイデ氏との対談集も、先日完成しました。その他、平和学の創始者ガルトゥング博士など多くの学者とも、時間を見つけてはやっています。トインビー博士との対談は、20の言語に翻訳されました。
戸田会長は「常に200年先を考えて行動せよ!」といわれた。
また、「お前の舞台は世界だよ」と指導を受けてきた。本来、宗教の延長は、文化・平和・教育になるものです。そこに連動していかなければ、「人間のための宗教」ではなくして、「宗教のための宗教」となってしまう。ゆえに、この歴史的大河の流れにそって、創価学会は歩んでいきます。
20年くらい前、ある財界の首脳と懇談したときにも、「このままゆくと、日本は経済侵略呼ばわりされ、排撃される。文化・芸術の方面で手を打たないとまずい」という結論に達しました。その意味からも、ハーバード大学、ボローニャ大学、フランス学士院など、一流の知性の舞台で20数回講演してきました。先日もハワイの東西センターで「平和と人間のための安全保障」のテーマで行ないました。今後の以来も、南アフリカのマンデラ大統領が総長を務めるノース大学、またネパールの最高学府・国立トリブバン大学など、多数来ています。これも自分のためや、会のためではない。講演料をとっているわけでもないし(笑)。海外の識者は鋭いです。仏法は、いわば日本文化の精髄ですから、そのスピーチは日本への理解を深めます。
また、国連の支援や、それぞれの国に尽くしていることに対して、数々の賞を受けております。たとえば、グラスゴー大学、モスクワ大学、北京大学、フィリピン大学などの名誉博士・名誉教授の称号は34。名誉市民も75を超えております。
これからも、時間の許すかぎり世界へ行く決心です。それが私の責任と使命だと思っておりますから。
「戦後五十年の生き証人」が語る1-15 おわり
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今日2月16日は、日蓮大聖人 御生誕の日