病人と看病人 7
心の使い方
人に対して「どこか悪いんじゃないか」「顔色が悪いね」とか「どこかが」「何か」「どうかしたか」などと、場所を特定せずに、漠然と相手のないような言葉、掴みどころのない悪い方向への言葉を投げつけるのはよくない。それを受けとめたその人の心は、自分で自分の体の悪い処を見つけるために探しまわり、悪い方向へ空想し、その空想によって自分自身を包み込み、病人になっていってしまう。病人に対する言葉としては本当に最低である。
漠としたものの力
人をほめる時は、的を得てキチッと褒めないと効果がない。しかし叱る時、けなす時は場所を言ってはいけない。格がない、品がないという言い方は、当人にとって訳がわからないことになる。練習のしようがないから、いよいよ焦ってくる。