「若き友に贈る」19
「信仰2」1/1
瞬間的幸福を
願わないわけではないが
それよりも私は
人間究極の法則ともいえる
真髄の宗教のために この身を
大地にたたきつけることを
幸福としたい
*
絶対に私は 卑屈の心を持たない
そのような態度は
信仰者の姿勢にないからだ
*
絶望という二字が 此の世に
無くなることを願って
私は 私の思想と実践の探求に
生涯を送りたい
*
僕は負けない
恐怖にも 嘲笑にも そして悲痛にも
僕には鉄の信仰がある
*
ともかく 人生には後悔が
多すぎるようだ
しかし それを治癒できる
決断の信仰があるから
私には 数かぎりない
天性があるのと同じだ
*
小才に動く人は つねに迷うことが
多いことを知っている私は
信仰という不動の姿勢より出発して
社会に飛翔してゆくのだ
*
死への軌道を
我らは まっしぐらに
走っているといってよい
それを思えば
胡麻化しや曖昧の
人生を生きられないし
偉大なる 宗教を欲するのは
当然のことと思うのだ
*
人間内部の探求に
私は怠慢でいられない
無知でもいられないのだ
故に刹那の人生にあって
永遠との対決のために
宗教を選んだといってよい