「若き友に贈る」16
「苦境」2/2
冷酷無残な仕打ちにあったとしても
何ものをも憎まず
超然たる人生の姿勢で
私は 一生を送りたい
*
春になれば 花が咲く
その根深ければ必ず人生の幸せが
開くことを信じて
私は 太陽を受ける
*
正直に言うと
君の清貧の生活の中に
自身の宮殿の住まいを
築いていることを忘れないで
今日も励んでくれ給え
*
いままでの地盤に 僕はとらわれない
新生の根性で戦えば
いつか壮大な地盤が構築でいるからだ
*
最悪の危惧があっても
私は 逃避しない
大勢の人々のために 運命を達観して
野獣の如く 原野に挑むであろう
*
今日の望みは
容易に達せられないとしても
明日の世界の新月が冴え
富士の山が
僕には 黄金に輝いている
*
たとえ理解を絶した環境の中にあっても
私は 春の花の微風を忘れず
時の到来を信じて
今日も戦うのだ
*
スランプがあっても
その病気を 僕は
忍耐と進歩という薬で癒してみせる
*
侮辱する人がある
しかし それは彼自身がとどめを刺して
自らを苦しめていることを
知ってもらいたいと
私は 今日も悠々と
頑健に進むであろう
*
不運なのか 今日も淋しい
一日のようにみえるが
僕は 最後の勝利を信じているから
決して悔いがない
あの悲憤 あの苦悩があったから
今日の大いなる感激の凱歌を
勝ち取ったことを
君よ 共に感謝するのだ