「若き友に贈る」14
「女性」1/1
自己をひろげつつ
人生の幸の並木道を
つねに私は 前に進む
*
怒る前に
私は 冬の太陽となって振舞う
*
雑踏の中でも あなたがいると
清楚で 心より安堵すると
いわれるような
無名の王女の存在であってほしい
*
美しくやさしく
標準的女性といわれても それでよい
その奥に 理念と勇気のあることは
自身が最も知っているからである
*
私の婚約者は 幸福という
哲学の上に崩れない―――
婚約者から始まる
*
私は 私自身のために
強く美しく咲きたい
故に自己自身の次元を止揚する
*
太陽が 雲にかくれる
風が吹いて来た
しかし 私には 明日という
安穏の約束がある
*
いつも家庭に新風をおくりながら
主人の責任を果たしながら
社会の公転におくれることなく
私は 太陽の軌道に
日々着実に廻転していくのだ