「週刊読書人」3
【編集部】
一九六〇年代の初めというと、かなり早い時期ですが、その取材で創価学会の会員について感じられたことはどんなことですか。
【田原】
その時は、池田氏が、日大の講堂で学会員を集めての演説も取材しました。そこで感じたのは、みんなが明るいな、と。明るすぎるな、と。つまりためらいとか躊躇とか不安感がないんですよ。問題はそのエネルギーなんです。私が取材した頃は、この本にもありますが、まさに創面学会が権力と戦う団体なんです。例えば選挙の時に、既成の政党から批判、非難、しかも真実じゃない押し付け焙印をパンパンやられた。要するに検察という権力との戦い。或いは労働組合という権力との戦い。つまり戦う集団であって、既成の権力と徹底的に戦う集団、これが創価学会のエネルギーの根源であり、そしてある意味では創価学会の純粋さだと感じました。
僕が取材した時に、とっても明るい、ためらいがない、躊躇がないというのは戦っているから。言ってみれば、戦争状態なんてすね。そういうことをこの本を読んで改めて感じました。既成の権力と戦っている。それが彼らの気力を高揚させ、彼らのエネルギーを奮い立たせてやっているんだなと改めて思いました。この女性もとても綺麗な女性だけど、戦いの塊のような人でしたね。すごい迫力のある女性でした。非常に礼儀正しくてでしゃばらなくて良い女性なんだけど、話をしてみると戦いなんてすね。