池田さんを受けつぐあなたに4
しかし、このことをあとでそばの幹部からきいた池田さんは、「その気持ちはうれしいけど」といって、静かにこうさとしたそうだ。
「その若い人の気持ちはうれしい。でも、わたしは若い人たちにこうしろとはいわない。強く命令することはけっしてむずかしいことじゃないが、わたしはしない。
もし若い人たちが、わたしのそういった強い言葉だけをたよりにするようになったら、もしわたしがいなくなったとき、どうなるだろうか。自分ではなにもきめられずに、迷うことになってしまうじゃないか。わたしはそれを考えて、これからもアドバイスだけを、みんなを下からささえる仕事だけをしたい。
みんながファイトを失いそうになったとき、力づける役割をしたい。あとは、たいへんだろうけど、みんなが自分の力で自分の道を切りひらいていってほしいんだ。
うちの人たちなら、真の仏法をほんとうにたもっている人たちなら、必ずそれができる。真の仏法は――無限にひらいていく生命の力は、人にいわれてそなわるものじゃない。あなたがた一人一人が、自分自身の教学と実践のなかでひらいていくしかないんだ。
どうかわたしのこの気持ちをわかってほしい。そしてみんなが自分の力で、仏法のすばらしい生命にめざめて、自分の最大の可能性と幸福をひらいていってほしい」