SOKA薬王のBlog

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「池田大作という人 その素顔と愛と生き方」2


みんなは夢中でパクついた。久しぶりに満腹したところで 池田青年はひとりひとりと膝づめで話した。 ある女工さんには、 「法を疑ってはいけない。幸福は必ず来る。しみは歓喜の前ふれなんだよ」


ある若い工員には、「まず君自身が生きる目的をつかめ。そこから毎日少しづつでも前進して行けばいい。きっとできる。たいした男じゃないけど、僕がついてるぞ!」 聞いているうちに、みんなの顔からは、投げやりな表情がいつか消えていた。


難しい理論はともかく、この青年と一緒に進めば道がひらけそうな気がした。 みんなは翌日からの充実した生活を誓いあい、はりきって別れて行った。


でも、誰が知っていたろう。みんなと別れた後、一人になった池田青年が 急に青ざめて歯をくいしばり、よろめきながら夜の街を帰って行ったことを。よく倒れなかったと思う。 なにしろ、彼は数日間、水とわずかなパンくずの他は、なにひとつ口にしていなかったんだから。


つまり、おみあげのコッペパンやサツマイモや蒸しパンは、 池田青年自身の貴重な食料だった。彼は自分の数日分の配給を削り、 それを全部初対面の仲間に優しい兄のように食べさせてやったのだった。