SOKA薬王のBlog

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ある指導者の愛9

「相手のしみを分けあう」

 私がおどろくのは、これが木村さんだけの特殊例ではないということである。過去十数年間に、そのひとは同志を激励するため、全国を何十回となくまわり、そのうえ何回も世界旅行をこころみているが、調べていくと、いたるところでおなじような話に出くわす。


 青年時代、たった一度出会った仲間を、十年後に会合の席で見つけて、「立派になりましたね」と心から喜んだ、とか。ある女子中学生の同志に、「お嫁にいくときはきっと花束をあげるからね」と約束して、八年後、彼女の結婚式の日をちゃんと探り当て、約束の花束を贈った、とか。


 こうしたことを見聞きするのに慣れたそばの幹部たちさえ、そのたびに「フシギだ」と首をひねってしまうらしい。といって、まさか「先生の記憶力の秘密は?」などと、ビックリ・ショーまがいに聞くわけにもいかない。そのひとと近いあるジャーナリストは、そのひとが、会った相手ひとりひとりについて、精密なメモでもとっているのではないかと思って、さんざん調べてみたそうだが、それもなかった。