病人と看病人 5
「受け身な心」(病人になる素質)
病人とは……
隠れている力を持っていながら弱いものになっている、そういうのを病人と言うのである。
病人となると、また悪くなりはしないかとか、或いはガンではないだろうかとか、自分で自分の弱いところしか見れないし、自分の悪いところしか感じられない。その人の隠れている力が発揮されないで、病気とうまく繋がっているのである。
未練症状
治りそうになると又不摂生をする。すると医者は嘆く。「もう一息のところで不摂生した」と。そうではなくて、もう一息で病人でなくなってしまう、それでは彼は困るのである。
「そんなのは未練症だ」と言って無視すると、いよいよ強く出るが、病気の時と変わらない親切な態度を見せるとなくなってくる。大事にされると安心し、安心すると又良くなる。良くなるが、周りの人が良くなったというので安心して気を抜くと、又悪くなる。
病人になる素質
病人というのは、自分を主張するとか、自分が生きる上に受身に回っているとか、人の注意を得ると心が落ち着くとかいう傾向が強い。それは弱いからだが、この人達は、自分より弱い人の注意でもひきたい。
意識的な心の弱味とか、意識で感じる不安とかいうものが、病人になる実際の力になっているのではなく、そういう素質を育てるような、潜在意識教育があると思うことなのである。
例えば、風邪を引いたといって、親は「寒い思いをしたからだ」とか、「冷えたからだ」とか言う。けれども南極に行っても風邪は引かない。だから寒いから風邪を引くなどということはあり得ない。ところがそういうように教え込むと、そうなる。