「若き友に贈る」28
教養 1/1
理念は死なない
理念のためにどこまで到達できるか
僕は走ってみせる
*
知識を貯め語ることだけに
私は終わりたくない
それでは鸚鵡の如しだ
己れの内部を通して
庶民を説得できる
さえたる雄弁にかえたい
*
稚拙でもよい――庶民が生活の中に
深く刻んだ 生命の詩を尊ぶのだ
*
私は あらゆるものを読む
それを選別し 昇華させ
積極的に
社会活動の源泉にしたいのだ
*
読む
君も僕も なんでも読むという
頭脳の訓練だけは
いかに老いても怠りたくないものだ
*
詩は言葉の羅列ではない
故に巧緻華麗の詩句のみを
私は 欲しない
*
権力にもよらず
財力にもよらず
私は 文化的前進をする
文化と市民の強力な接触のみが
深い意味での平和を
構築することを
知っているからだ
*
文化とは権力 武力を用いず
幸せへ民衆を化す運動である