「若き友に贈る」23
「実践」2/4
私が 最高の尊敬の念を感ずるのは
人間最後まで
旗を振り続ける人だ
*
荒々しい衝動的な行動より
静かな水のたゆまざる流れの中に
一切の決意も実践もあるという姿勢で
私は 今日も歩みたい
*
人生の勝利者たらんとして
私は いつも寸暇を利用して
堅忍と 価値の日々を
送りゆくのだ
*
小さくとも やがて私は
人生の個展を開くから
見てくれ給えと言いながら
今日も あらゆるものを修行の教師として
社会のあちこちを廻り歩くのだ
*
微笑しながら
なにも悔いがなかったといえるような
臨終の人となりたいために
私は 日々臨終という背水の気持ちで
真昼の太陽をうけながら
働くのだ
*
私は 結論を急がない
あまたの学説が
色褪せた今日
屋台店で 庶民と共に語る中にのみ
現実の願望の所在を
知ることができるからだ