SOKA薬王のBlog

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太田昭宏「真っ向勝負」12


ライフストーリー3「政治」



「落選そして再起」



太田の人生で忘れられない黒星がついたのは、平成二年二月の第三十九回衆議院選挙だった。激戦区の東京八区から出馬したが、涙をのんだ。これまで学生時代、社会人時代を含め、はた目から見ると、白星街道をぱく進してきた男に初めて土がついた。
 

太田は、その政治家としての資質から「公明のプリンス」と噂され、当選すれぱ、やがて「次の党をになう器」と目されていた。しかし現実の選挙は厳しかった。下町の路地裏や商店街を、ひざがボロボロになって動けなくなるまで回ったが、勝てなかった。
 

落選直後のことである。台東区内を支援の御礼に歩いていると、道ばたで目をはらしていた婦人の支援者が、太田の顔を見るなり顔をゆがめ、下を向いて泣き出してしまった。
 

ああ、いったい俺は、この婦人の悲しみや労に対して何ができるのだろうか--、一票の重さ。支援の真。自分の力不足。これらを、このときほどじたことはない。