SOKA薬王のBlog

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「池田大作という人 その素顔と愛と生き方」5

こんなふうに、池田さんには、他人が持っている小さな夢、小さな計画を、よりでっかい夢、よりすばらしいプランに変えてしまう特技がある。 よく考えると、とても出来そうも無い大きすぎる夢だが、 彼に励まされると、それが出来そうな気になってくるから不思議なのだ。


M子さんもそうなった。M子さんは池田青年の情熱にひきこまれて、「ええ、あたしたち、やってみますわ!」と胸をふくらませて答えた。 でも、彼女は、そう答えた後で、この計画の致命的な弱さに気がついた。


「だけど、池田先生!私達、楽器が無いのよ。笛一本もないわ。買うお金も無いし、おこずかい貯めてもまにあわないし・・・・・。情熱ばかりあっても、これじゃ何にも出来はしないわよ・・・・」


池田青年は笑した。「そうだよね、現実は常に厳しい」と、 彼はめずらしく、とぼけたような口調で言った。 悲壮になりかけていたM子さんや女子部員たちは、つりこまれて笑い、 この話しはこれでうちきりになってしまった。


 女子部員達は、みんな若く、希望に燃えていたけれども、 お金持ちのお嬢さんは一人も居な
かった。 学会に入ってから、みんな職場や学園でバリバリ活躍し始めてはいたが、楽器を持てるほどのゆとりは、まだ誰も無かった。 結局、鼓笛隊は楽しい夢だったんだと皆は思い、 つつましくまた唱題と勉強の生活に戻って行った。